Nadeshiko - なでしこ

【Nadeshiko - なでしこ】



『Johannaとの出会い & オリジナルシードルNadeshikoができるまで』

主人の仕事でフランスブルターニュ地方に滞在した4年間のうちの2年、私はシードル醸造所のお手伝いをさせていただきました。 それがこちらのDomaine Johanna Cecillon ドメーヌジョアナセシオン、当店のオリジナルシードルを造っていただいている醸造所です。

シードル醸造所

ドメーヌジョアナセシオン


シードル醸造所はブルターニュとお隣ノルマンディで約350〜400軒ほどあり、50軒くらいは訪問してきました。生産者さんに会って醸造所内を案内していただきお話しできたところもあれば、資料館みたいになっていて見学できるところと様々です。


シードルにはどんなりんごが使われているのか、どのように作られるのか…フランス語がままならない中とにかく体験してみたくて2016年8月に緊張と不安の中、主人にも付いてきてもらいジョアナのところに訪れました。連絡先を知っているわけではなかったので失礼ながら突然お邪魔するかたちで…

訪れた時間はちょうどカフェタイムのようなのんびりとした時間でりんご園にテーブルと椅子を広げまったりされているところに私たちが現れました。突然現れたので持っていたものを落としそうになるほどビックリされていたのを覚えています。

『こんにちは、初めまして!』と挨拶をさせていただき『シードルに興味があり勉強したい』『醸造所で働いてみたい』という気持ちを伝える私たちの話を真剣に耳を傾けてくださり、すでにスタッフが揃っているにも関わらずとても悩んで考えてくれて『ちょうど来月から収穫が始まるから、やってみる?』と季節限定の仕事として迎え入れてくれたジョアナとルイ、それが私たちの最初の出会いです。

この年は9月半ばから洋梨の収穫、9月末からはりんごの収穫を行いました。



りんご畑①

りんご畑②

りんご畑③

りんご畑④

シードル造りに携われることへの喜びと言葉の壁への不安をもちながら迎えた初めての収穫の日、作業できる格好を揃えメモ帳とペンを持ちいざ作業へ。

作業内容やりんごの品種・特徴など作業中に聞き取った単語やなんとなく話す普通の会話も含めその都度メモに取り、それを家に帰ってから辞書で調べる。"あれはなんの話だったのかな?"と。

調べても分からなかったことはまた翌日聞いてみる、そういう毎日でした。

作業内容としては
朝日が昇る頃から始め夕方まで、1日5〜6パロックス(木箱)分を収穫。

木の下にシートを広げ、木や枝を揺らしてりんごを落としその中から傷のついていないりんごを選別してバケツに入れ、いっぱいになったバケツを運びパロックスの中を満杯にしていく。
広い果樹園を少しずつ移動しながら全ての木からりんごを集めていく収穫作業を雨の日も寒い日も行いました。
都会に住んでる時には苦手な虫たちも自然の中での作業では自然に生きる者として慣れ、顔周りを這うクモも気にならなくなったし、トイレももちろん自然の中です!(余談です笑)

りんご畑⑤

りんご畑⑥

りんご畑⑦

りんご畑⑧

りんご畑⑧

りんご畑⑨

りんご畑⑩

りんご畑⑪

そうして集めたりんご達は2週間ほど追熟させ、水で表面の汚れを落としたあと機械により粉砕されていく。粉砕されたりんごを圧搾機に詰め果汁を搾り出す。
果汁は半日〜1日タンクに入れ色をつかせ発酵用タンクへと移される。
その後は自然酵母にてゆっくり自然発酵。
温度や酵母の状況をみながら4月末頃からボトル詰め作業を行う。
シードルが出来上がる過程はだいたいこういう流れで2年間お世話になり、とても勉強になりました。

シードル作り①

シードル作り②

シードル作り③

シードル作り④

シードル作り⑤

シードル作り⑥

この経験をさせていただいた事と日本で自店を開業したいという主人の思いが重なったことにより自分の中で『日本向けのフランスシードルを作りたい』と考えるようになりました。フランスの伝統的な造り方で作られるシードルの『りんごの果実味が深い味わいとりんごの種類によって調整された甘みは日本の代表的な調味料である醤油や味噌に合う』と確信していました。ただその様なお願い事をたかが2年少し携わっただけの私がお願いしても良いものか…、果たしてお願いして造ってもらえるものなのか…いろいろと悩んだ挙げ句、『悩んでいてもしょうがない!ダメならダメで仕方ない、言うだけ言ってみよう』と決めてジョアナとルイにお話してみました。

『良いアイデアだね』

そう言ってくれて
なんと、日本向けに新しい種類のシードルを造ってくれることになったのです!
『ほんと?』嬉しくて何度も聞き返しちゃいました。

そこからはどんな味わいに仕上げたいのか、自分の希望を伝え何度か食事をする機会に何品か私の手作り家庭料理を持っていき、『日本ではこういう料理を食べているんだ』と話しながら一緒に食べイメージして、2018年の収穫のりんごから造られた当店のオリジナルシードル『Nadeshiko』が完成したのです。

フランスの友達

2024年6月、
6年ぶりにジョアナとルイに会いに行ってきました!変わらず温かく迎え入れてくれる2人。
帰国後のこと、お店のこと、日本でのシードルのこと、そして本題の『これからのNadeshikoについて』いろいろとお話しました。
私がいた6年前より醸造所の設備もストックの場所もりんご農園の広さも大きく変わっていて、まだまだ変化していくであろう2人の今後にもワクワクしました!
また会いに行きたいと思ってます!


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
これからも国産クラフトシードル同様、当店オリジナルシードル『Nadeshiko』もどうぞよろしくお願い致します!

ジョアナとルイと私たち